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ニュートン バイオキャピタル、日本の創薬スタートアップのテンセグリティファーマに対 し、 第 2 号ファンドより、日本初の投資を発表

ニュートン バイオキャピタル、日本の創薬スタートアップのテンセグリティファーマに対 し、第 2 号ファンドより、日本初の投資を発表

この投資により、テンセグリティファーマは、アステラス製薬から開発中止アセットの譲渡を 受けて開発を開始

日本および欧州の創薬スタートアップ企業への投資と育成を目的としたベンチャーキャピタル のニュートン バイオキャピタル(本社:ベルギー、ブリュッセル、CEO:アラン・パルトゥーン ス、日本代表:鈴木貞史、以下、NBC)は、本日、2021 年に設立したファンド「Newton Biocapital Partners II(NBC II)」より、日本の創薬スタートアップであるテンセグリティファ ーマ株式会社(本社:東京都中央区、創業者:代表取締役 CEO:中原崇人)に対し、日本にお ける最初の投資を行うことを発表しました。

NBC II は、テンセグリティファーマの開発品目である悪液質(Cachexia)の適応症の将来性に 注目し、シードラウンド(創業後まもない企業が行う資金調達)5 億円の投資を決定しました。 今後の資金調達についても継続的に支援を行う予定です。

この投資により、テンセグリティファーマは、アステラス製薬から開発中止アセットの譲渡を 受け、悪液質(Cachexia)を適応症としてアセットの開発を開始します。また、NBC は、テン セグリティファーマに対し、取締役 2 名を派遣し、臨床開発のハンズオン(経営に深く関与) の支援を行います。

悪液質 (Cachexia)について

心疾患や感染症などの慢性疾患に伴う痩せは古くから知られていますが、悪液質の病態は未だ に明らかでなく標準治療は存在しません。近年の科学の進歩により、骨格筋、脂肪組織、消化 器・中枢神経・免疫系における様々な分子機構が、悪液質の発症に関与することが示され、がん悪液質は「通常の栄養サポートでは完全に回復することができず、進行性の機能障害に至る、骨格筋量の持続的な減少(脂肪量減少の有無を問わない)を特徴とする多因子性の症候群」と 定義されています。特に、がん悪液質は、腫瘍から放出される液性因子や腫瘍により惹起された 免疫反応と代謝変化も、その病態に関わることが示唆されています。(出典:がん悪液質ハンド ブック 内藤立暁氏 抜粋)。

NBC の開発薬事最高責任者の和田道彦医師は、「TSP-101 は、腫瘍から放出される液性因子や 腫瘍に関連した免疫反応・炎症性サイトカイン、代謝に関連するシグナルを制御することで、がん悪液質の進行を抑制し、腫瘍増殖・免疫反応とのシナジーも期待できる薬剤で、First in Class (画期的医薬品。そのカテゴリーの医薬品の中で、最初に認可される新薬)として期待され る」と述べています。

テンセグリティファーマ株式会社の創業者 代表取締役 CEO である中原 崇人は、「テンセグリテ ィファーマが開発を進める TSP-101 は、悪液質の発症割合が高い、さまざまながんで過剰発現 する特定因子のシグナルを遮断し、がん由来の炎症反応を抑えることによる抗悪液質作用と、がん微小環境の改善による抗がん作用が期待されています。TSP-101 は、アステラス製薬株式 会社で開発中止されていたプロジェクトを継承したプログラムであり、私たちは TSP-101 を速 やかに臨床フェーズ 1 へ投入し、概念実証(POC)の迅速な取得を目指しています。」と述べています。